機織り

データ

作者 鈴木春信
時代 江戸時代(18世紀)
素材・技法 中判錦絵
サイズ 27.9×20.6㎝

解説

多色摺りの完成者といわれる鈴木春信(1725?~70)の錦絵は、浮世絵版画として初めて奉書を用いて摺ったもので、良質の奉書と吟味された顔料によっている。明和2~3年(1765~66)頃、俳諧に趣味をもつ江戸の好事家(こうずか)の間で、絵暦(えごよみ)の競作と交換会が流行したが、これに積極的に参画して数多くの秀作を生み、木版多色摺りの作者として名を挙げた。本図は機織に熱中している女性の裾の乱れをいいことに、子供がそっと裾をまくってのぞいているという、人間がもつ一心理をとらえた卑近な題材だが、それをからっとした愉快さに昇華させているのは、春信の芸術の高さを物語るものといえる。それに最も強い力となっているのが、描かれている春信ならではの女性の婉麗さであり、背景の色彩である。

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