阿波鳴門之風景 

データ

作者 歌川広重
時代 江戸時代(19世紀)
素材・技法 大判錦絵 三枚続
サイズ 各36.3×25.2㎝

解説

この三枚続きは、「木曾路之山川」「武陽金沢八勝夜景」と共に雪月花に擬した広重晩年の揃物で、鳴門の風景を「波の花」と見立て花の図としている。鳴門の瀬戸を淡い藍色で画面いっぱいに描き、前方に遠く四国の山々の連なりを、その遠山の尽きるところにわずかに遠く水平線をのぞかせている。遠山の形と色が巧みに組み合わされ、殊に遥かになるにつれて色調が薄められ、ついに水天に連なるという表現に、現在の兵庫県淡路島と徳島県の大毛島との間の海峡を描いたものだが、狭い海峡に岩礁多く、瀬戸内海と紀伊水道との水面の水準の差から生ずる潮流の渦が鳴り響く趣が、渦の位置まで写実的であるといわれる。

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