国宝
手鑑「翰墨城」白氏文集切・百錬鏡
データ
作者 | 伝 菅原道真 |
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時代 | 平安時代(11世紀初期) |
素材・技法 | 紙本墨書 |
サイズ | 30.1×27.3㎝ |
解説
平安時代の学者・政治家として知られる菅原道真(845~903)の筆と伝えられている『白氏文集』の断簡である。巻第四の新楽府の「百錬鏡」の部分で、楮紙(ちょし)の素紙を料紙とした格調高い、堂々とした筆跡で書写されている。この断簡の後に押されている一葉と合わせて一編の完全な詩となるが、手鑑に押す際に八行と五行に分割されたものと考えられる。新楽府の巻頭は「驪宮高(りゅうきゅうこう)」であるが、京都・陽明文庫所蔵の「驪宮高」は料紙・筆跡ともにこの断簡と同一と思われ、もとは同じ一巻の内のものと推定されている。ほかに道真筆と伝えられるものに「式切」「紫切」「讃岐切」などがあるが、真筆と確認できるものは伝存しない。道真の能書家としての記録は『夜鶴庭訓抄』(藤原伊行著)、『入木抄』(尊円親王著)などに見られ、空海や小野道風とともに三聖の一人として古来より謳われている。
百錬鏡 弁皇鑑也
百錬鏡鎔範非常規日辰処
所霊且奇江心波上舟中鋳
瓊粉金膏摩瑩己化為一片
秋潭水鏡成将献蓬莱
宮揚州長史手自封人間
臣妾不敢照背有九五飛天
龍人々呼作天子鏡我有一言