重要文化財

金光明最勝王経註釈断簡 飯室切

データ

時代 奈良時代(8世紀)
素材・技法 紙本墨書 一巻
サイズ 27.6×全長192.4㎝

解説

「金光明最勝王経」は、東大寺創建の際の根本経典とされたもので、諸国の国分寺にも紺紙金泥(きんでい)の経巻が置かれ国家鎮護が祈願された。この断簡は、「金光明最勝王経」の最古の註釈書の一部で、巻第二から四十五行、巻第六から二十三行の合計六十八行が巻子仕立てになっている。料紙は艶のある褐色の麻紙で、罫な幅広くとってあり、太く大きく書写された経文の後に、註釈が二行に割って記されている。加えて、胡粉(ごふん)により白くメモ風の点記があり、それが万葉仮名を用いたものであるところから、古典研究の上では国語資料として重要視されている。この種の断簡は、飯室切と称して珍重されているが、もと比叡山の飯室谷に所伝したことによって、その名がある。

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