重要文化財

無準師範墨跡 「帰雲」 二大字

データ

作者 無準師範
時代 中国・南宋時代(13世紀)
素材・技法 紙本墨書 一幅
サイズ 31.5×86.5㎝

解説

無準師範(仏鑑禅師 1178~1249)は、中国南宋時代の禅林中、最も傑出した禅僧である。中国五山第一の径山万寿寺の第三十四世を嗣席し、止住すること二十年、法幢を高く掲げて内外に名声を馳せた。また、時の皇帝理宗に召されて禅の要諦を説き、仏鑑門照禅師の号を賜った。わが国の学僧も多くこの門下に参学し、京都東福寺開山弁円円爾(べんえんえんに)(聖一(しょういつ)国師)がその法を嗣いだことは特に有名である。この因縁により、東福寺には円爾へ贈られた無準の墨跡が多く伝来し、額字19点などが現存している。正和5年1316)に作成された東福寺古文書の『仏鑑禅師御筆額字目録』には46点の額字の名が見え、古く寺外に出たものが少なくないことがわかる。本図の墨跡も、そのうちの一つと思われ、堂額などに用いる原本と推定される。後に徳川家の柳営御物(りゅうえいごもつ)として伝来した。
帰雲
「円照」朱文大円印「師範」朱文小方印

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