重要文化財

兀庵普寧墨跡 尺牘

データ

作者 兀庵普寧
時代 中国・南宋時代 咸淳8年(1272)
素材・技法 紙本墨書 一幅
サイズ 32.5×67.9㎝

解説

兀庵普寧(1197~1276)は、無準師範の法嗣(ほつす)で、無学祖元(むがくそげん)(1226~86)と兄弟弟子にあたる来朝僧である。文応元年(1260)に来朝し、北条時頼の帰依を受けて建長寺の第二世住持となったが、滞在六年後の文永2年(1265)に帰国した。この墨跡は、帰国後の咸淳8年(和暦文永9年〈1272〉)に日本の本覚上人(生没年未詳)に宛てた書簡である。本覚上人は、帰国して径山に住していた晩年の兀庵のもとで修行していた入宋僧で、日本に帰国してから兀庵に書簡を書き送った。その返信の書簡がこの墨跡である。近況と贈物の礼を述べた後、禅の心構えを書き添えている。兀庵の帰国後の動静を伝える貴重な遺墨である。
雙林道聚孝義切々老懐甚喜
彼中自古雖是大刹近年廃極難
撑分袂後聞之即復旧邦昨秋
忽接書信輪珠二環晶塔箸帒何
如之可謂奇物以見孝義不忘即
令侍者領入纔接書信如雙林義聚
一同喜悦之至但参禅学道初無彼
此之鬲朝於斯夕於期念々不輟久
々必遂徹証大昌吾宗以光末運祝々
今就回船便作答棗心十管侑字
再会末期切宜珍嗇是幸
咸淳壬申春王前〓州宝林禅
寺住持今寄径山万年正続院兀庵
老僧手書復
従弟本覚上人

コレクションをキーワードで検索する