緑釉白地黒掻落動物文壺
データ
作者 | 磁州窯 |
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時代 | 中国・北宋時代(12世紀) |
素材・技法 | |
サイズ | 一口 高11.1㎝ 口径9.5㎝ 胴径13.2㎝ 底径7.0㎝ |
解説
この壺は小品ではあるが、数少ない北宋末期、12世紀の作品である。全体に白化粧を施し、その上から鉄絵具を全面に流しかけて白地・黒地の二層からなる下地を作る。次に文様の部分の鉄絵具、すなわち黒地を掻き落とす。白地黒掻落と呼ばれる技法である。その後、透明釉を全体に薄くかけて焼成し、さらに緑釉をかけてもう一度低火度で焼き上げている。こうした緑釉白地黒掻落の遺例は少なく、花瓶の類がわずかに知られるのみである。文様は、三方の花窓の中に、虫をねらう小鳥、兎、犬が、宋元画風の筆致で巧みに描かれている。河北省南部の磁州窯で焼造されたものと思われ、米国のクラーク夫人旧蔵品で、当時から世界的に著名であった作品である。