重要文化財

埴輪 天冠をつけた男子

データ

時代 古墳時代(6~7世紀)
素材・技法
サイズ 一躯 高131.5㎝ 裾幅39.5㎝

解説

天冠をつけた盛装の男子埴輪で、下半身が省略されがちな人物埴輪の中では、特に出来のよいものの一つである。古代人らしい無垢な顔立ちで、箆(へら)一筋で表された小さい口と、太く大きく切られた生き生きとした目とは、まったく不釣り合いであるにもかかわらず、不自然さはなく、高く大きい鼻で整えられ、不思議なほどの均衡を保っている。紐で束ねた太いみずらを肩先まで垂らし、頸玉を飾り、三角形の天冠をつけており、謹厳な貴人に見える。籠手をつけた、長い筒袖の盤領(あげくび)の上衣は、重ねが表されていないが、上下二つの紐結びで合わせた左衽(ひだりまえ)で、裾は大きく広がっている。下には、襞(ひだ)折りのある太い袴をはき、膝上あたりを紐で結んでいる。円頭の太刀を差し、鞆(とも)を腰に吊るしている。群馬県伊勢崎市波志江町出土。

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