銹絵染付梅花散文蓋物

データ

作者 尾形乾山
時代 江戸時代(18世紀)
素材・技法
サイズ 一口 総高8.5㎝ 蓋径 21.0×20.3㎝

解説

尾形乾山は、野にある菊や薄(すすき)、桔梗、笹、柳などのほか、鳥や道釈人物などを題材に、彼が陶法を受け継いだ仁清窯や他の京焼などには見られない独特の作風の焼きものを生み出した。本図の作品は、文様化した梅花の重なりを意匠とする被(かぶ)せ蓋形式の蓋物である。乾山は京都有数の呉服商雁金屋の三男として育ったが、その家業の伝統を生かし染織に用いる型置きの技を陶面に応用した作品である。技法的には、型紙を用いて梅花文を白泥で厚くリズミカルに配置し、さらに呉須(ごす)と鉄絵具で重なり合うように梅花文を描いて、最後に全体に透明釉を薄くかけて焼成したものである。蓋、身ともに内側は、白化粧地の上に梅花の型紙を置いて、呉須の刷毛塗りで白梅を浮き立たせている。器形といい文様といい日本的情緒あふれる意匠で、乾山の代表作の一つとして知られている。身の底裏中央には、大きく鉄絵具で「乾山」と書かれている。鴻池家伝来。

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