重要文化財
蓮唐草螺鈿礼盤
データ
時代 | 鎌倉時代(13世紀) |
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素材・技法 | |
サイズ | 一基 縦64.9㎝ 横64.9㎝ 高17.0㎝ |
解説
礼盤は仏像の正面に置かれる高座で、導師がこの上に上って仏を礼拝するためのものである。この礼盤は方形入隅の座にいわゆる猫足形の四脚を備え、丈低く重厚な作りである。四隅と各側中央部、脚先には、金銅魚々子地(こんごうななこじ)蓮唐草毛彫りの金物を打ち、脚の付け根のひれ飾りには覆輪をめぐらしている。布着せをして下地を厚く施し、黒漆を塗り、側面の下縁部だけに朱漆を塗っている。座の各側面、脚の正面と両側、ひれ飾りには螺鈿で蓮唐草を表している。蓮唐草は、座の側面では蓮の花を中心とする左右対称の唐草を上下に配し、脚の正面には蓮の花を中心に花と葉で構成した大きな円文を表し、脚の側面にも同様の円文を配するが、それを構成する四花のうち一つは正面にまわっている。花を中心として四花で円文状となっている。これらの文様はいわゆる蛮絵の一種である。螺鈿法は下地の上にかなり厚い貝片を貼り付け、漆を塗って文様部の漆を剥ぎ表したもので、毛彫りは施されていない。