饕餮文觚

データ

時代 中国・商時代(前13~前11世紀)
素材・技法 青銅造 一口
サイズ 高30.4㎝ 口径16.3㎝ 底径8.9㎝

解説

觚は飲酒の器で、土器製の杯と形がよく似ているが、青銅製の觚は、商(殷)時代の中期頃から現れ始めた。この時代は、その他の酒器の種類や数も豊富で、尊(そん)・罍(らい)・卣(ゆう)・壺(こ)・斝(か)・觥(こう)・か*・〓*し*・方彝(ほうい)などがある。飲酒器は、それぞれ飲酒に適した形態をもっているが、本図の器のように商時代後期の作になると、口が大きく開きすぎ、実際の飲酒には不向きである。それはおそらく神前に供えることに重きが置かれ、そのために装飾性が重視されたのであろう。 口はラッパ状に大きく広がっているが、胴は細く、台脚は下に広がっている。この美しい曲線は、当時の生産者の確かな技術と優れた審美眼をよく示している。文様は、胴と台脚に突き出した四条の稜飾りをつけ、その間に、怪異な獣面、饕餮文を表し、地を細かな雷文で埋めている。頸部にも、下端に饕餮文を置き、その上に、口辺まで続く蕉葉文が四方に配されている。蕉葉文の内側は、縦二列の雷文で埋めている。

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