虎形竊曲文き
データ
時代 | 中国・西周時代(前10~前8世紀) |
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素材・技法 | 青銅造 一口 |
サイズ | 総高35.1㎝ 口径23.3㎝ |
解説
きは、穀物などを盛って宗廟に供える器で、圏台もしくは方台にのった円形の鉢形をし、一対もしくは四個の把手をもつ。本図のきは重厚な形をしており、装飾も複雑かつ美麗で、西周後期から春秋時代へ移りゆく頃の特徴を示している。主文様は竊曲文といい、一種の山形の連続文であるが、元来は饕餮文(とうてつもん)やき龍文(きりゅうもん)が幾何学文に変化したものと考えられる。身の上縁・下縁にほぼ同種のき龍文が浮き彫り風に表されており、上縁の中央には犠首(ぎしゅ)がついている。把手の上部は龍頭となっており、その口から把手の下半部が出る形をとっている。龍頭には先端が二つに分かれた角がつき、額の上にも飾りがついている。蓋には八葉形の笠がつき、各葉の外面には線刻の文様が入れられている。この蓋は、逆さにすると盤として用いることができる形式のものである。蓋裏と器の内底には同形式の虎形の文様が刻まれていて、これがこの器の名称の由来となっている。