袈裟襷文銅鐸

データ

時代 弥生時代後期
素材・技法 青銅造 一口
サイズ 総高62.0㎝ 底径32.5㎝

解説

銅鐸は、裾が広がった扁円筒形の空洞の鋳物であり、器壁は薄く、上部がふさがれている。上部に、扁平な丸形あるいは半小判形の鈕(ちゅう)と呼ばれる把手がつけられ、その鈕が身の左右に続き、薄い鰭(ひれ)となる。近畿地方を中心に各地で発見されており、中に舌(ぜつ)のついたものが発見されていることから、おそらく鐘のような楽器であったろうと推測されている。和銅6年(713)、大和国宇太郡(現在の奈良県宇陀郡)で発見された銅鐸は、形は変わっているが鳴らすと音楽を奏でることができたという。  文様は、大きく分けて、横帯文・流水文・袈裟襷文の三タイプがある。この品は、縦横に区画割りをしたいわゆる袈裟襷文のタイプである。裾のほうには重弧文が精巧に施されているが、これは類例が少なく珍しい。鰭には、渦文が施された飾耳が二個一組で九個施されている。形が整い、施文も精巧で、鋳上がりのよい銅鐸である。やや大型に属するこの銅鐸は大阪府天神山遺跡出土のものに似ており、近畿地方で出土する銅鐸特有の姿をしている。

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