重要文化財
十一面観音立像
データ
時代 | 奈良時代(8世紀) |
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素材・技法 | 木造 一躯 |
サイズ | 総高54.2cm |
解説
十一面観音は多種多様な功徳を施すために変化した観音菩薩である。本像は、香木による檀像の造像規定に従いつつ、代用材として針葉樹の一木から掘り出されている。穏やかに腰を捻った姿勢など官営工房系の作風を基調としながら、重量感のある体つきは鑑真来朝に伴う新様も加味されており、760年代から770年代頃の制作と思われる。やや盛り上がった蓮肉上面から右足を前方に滑らせるように出す一瞬の動きの表出に優れた造形が認められる。法隆寺北室院に伝来した。