重要文化財
阿弥陀如来立像
データ
時代 | 鎌倉時代(13世紀) |
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素材・技法 | 木造金泥塗 一躯 |
サイズ | 総高113.8㎝ 像高78.5㎝ |
解説
上品下生(じょうぼんげしょう)の来迎印を結び、雲上の蓮華座に立って極楽浄土より来迎する姿を表した阿弥陀如来像である。細部まで神経の行き届いた精緻な作りを示すこの作風は、鎌倉時代初期の大仏師快慶によって生み出された快慶様(安阿弥様)と呼ばれるものである。この像は、快慶作の俊乗堂像に比べて少し小さく、腹部の衣文にやや形式化が見られるが、全体の印象は俊乗堂像に近いものが感じられる。鎌倉初期の彫刻界に興った新風が、写実的で力感にあふれた様式を示した中にあって、比較的穏やかで端正な作りの像を生んだ快慶一門の手になるものと思われる。台座裏には宝徳3年(1451)の修理銘があり、体部の金泥(きんでい)や台座などはこのときに手を加えたものであろう。俊乗堂像より少し遅れる13世紀初頭の作と考えられる。