鹿下絵新古今集和歌巻断簡
データ
作者 | (画)俵屋宗達 (書)本阿弥光悦 |
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時代 | 桃山~江戸時代(17世紀) |
素材・技法 | 紙本金銀泥下絵・墨書 一幅 |
サイズ | 34.1×75.5㎝ |
解説
さまざまな姿態や動作を見せる鹿の群像を俵屋宗達が金銀泥で描いた料紙に、本阿弥光悦(1558~1638)が『新古今和歌集』の和歌二十八首を選んで書いた「鹿下絵和歌巻」の断簡である。もとは一巻の巻子本で、第二次大戦後二巻と数幅に分割された。鹿のみの単一な題材をフルに生かした表現法には宗達ならではの技量が感じられる。下絵に見事に調和した光悦の装飾的な書の趣致には、他の追随を許さない斬新さが窺える。現在、シアトル美術館に所蔵されている後半部の一巻の巻末に「徳友斎光悦」の款記と「伊年」の朱文円印が見られる。「徳友斎」の号は、光悦が鷹峯に移る以前に主として使用していたものと考えられている。