清水寺図屏風 

データ

時代 江戸時代(17世紀)
素材・技法 紙本著色 六曲一隻
サイズ 152.0×363.0㎝  

解説

本図は、画面中央に清水寺の舞台を配して人々が詣でる情景、向かって左には歌舞伎小屋での興行風景を描いており、「名所遊楽図」と「歌舞伎図」の要素を巧みに組み合わせた景観構成となっている。清水寺の境内には、舞台の右に釈迦堂と思われる建物、その下方右端に滝の宮と音羽の滝が見え、満開の桜花の見物に多くの人々が訪れ、にぎわいを見せている。一方、歌舞伎小屋は門前町の家並みが続く上方に大きく描かれ、清水の舞台のほど近くで行われていた女歌舞伎の情景をのどかに描き出しているこの一座は、幕に見られる丸に桔梗の紋から女歌舞伎佐渡島一座と思われる。人物の衣裳描写は、巧緻にして精密な色彩が加えられており、特に、画中の服装に、ポルトガル貿易の影響から生まれた袴(カルサン)や風変わりな襟飾りが見られ、南蛮風俗の流行が窺える点が興味深い。

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