青花宝相華唐草文洗
データ
作者 | 景徳鎮窯 |
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時代 | 中国・明時代(15世紀) |
素材・技法 | |
サイズ | 一口 高13.5㎝ 口径31.5㎝ 底径22.8㎝ |
解説
明時代の初めの洪武(こうぶ)(1368~98)、永楽(えいらく)年間(1403~24)頃の青花の磁器は、わが国で俗に明初染付と呼ばれ、元時代の染付とともに高く評価されている。なかでも中国で洗と呼ばれるこの種の深鉢は、永楽年間に作られた様式とされ、明初染付では遺品の少ないものである。底の平たい深鉢で、胴が裾でふくれ、安定した形をしている。口縁部は大きく外へ反らせて花が開いたような感じに作られており、全体がゆったりとした豊かな姿をしている。素地は純白の磁質で、深い藍色の呉須(ごす)で内外面に文様を描き、上から透明性の白釉をかけて焼き上げているが、底裏は露胎(ろたい)である。文様は、外面よりむしろ内面に重点が置かれており、見込み内底に大きく花弁文をめぐらし花弁の中に八吉祥文を表し、内側面は宝相華唐草文で飾り、口縁には撫子の花を唐草で連ねた文様帯をめぐらしている。一方、外側面は唐草に菊などの花を簡略に配したものである。