重要美術品
五彩双鳳凰唐草文盤 古赤絵
データ
作者 | 景徳鎮窯 |
---|---|
時代 | 中国・明時代(16世紀) |
素材・技法 | |
サイズ | 一口 高6.7㎝ 口径32.1㎝ 高台径17.9㎝ |
解説
景徳鎮窯の焼きものの中でも明時代中期の民窯の作品を考える上できわめて興味深い作品である。底裏に赤で「陳文顕造」の銘がある。類品がほかにも数例あるが、いずれもインドネシア地域からもたらされたという。ある時期に東南アジアに向けて一括して輸出したものであろう。わが国では、五彩(赤絵)のうち、この種のやや古式を示す民窯の五彩を古赤絵と称している。在銘の官窯の作品に比べると、作行きが粗放で、成形・釉調ともに精巧とはいえない。青花(染付)を用いず、上絵付けの描画・発色も官窯製品と異なり緻密さはないが、上絵付けの彩りの濃厚強烈なところ、筆使いの伸びやかで自由な点など、きわめて魅力がある。この盤では、内面中央に七宝文を充填した丸文を置き、その回りに双鳳凰唐草文、菊唐草文、波濤文の文様帯をめぐらしているが、赤・緑・黄の上絵具の色合い、手馴れた線の動きなどに、いかにも古赤絵らしい味わいがある。