重要文化財
二美人図
データ
作者 | 葛飾北斎 |
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時代 | 江戸時代(19世紀) |
素材・技法 | 絹本著色 一幅 |
サイズ | 110.6×36.7㎝ |
解説
葛飾北斎(1760~1849)は、『北斎漫画』や「冨嶽三十六景」などの版本・版画の大作で知られるが、肉筆の優作も数多く残している。北斎は、安永7年(1778)数え年19歳で肉筆画の名手勝川春章(しゅんしょう)の門に入り、浮世絵を学ぶ一方、狩野(かのう)派・琳派・住吉派などの画法を学んだ。本図は、北斎の美人画の中でも、人物の細面で柔和な表情と流暢で無駄のない描線、落ち着いた色彩などから見て、北斎画歴前半期の代表的な美人画ということができる。立姿の花魁(おいらん)に坐姿の女芸者を配した構図がよく、顔の表情や衣裳文様に北斎一流の手腕が見られる。落款および「亀毛蛇足」の朱文長方印より推定して、寛政年間(1789~1801)末から文化年間初めの頃、北斎四十歳代の作品と見られる。