青磁天鶏壺

データ

作者 越州窯
時代 中国・南朝時代(6世紀)
素材・技法
サイズ 一口 高49.4㎝ 口径15.0㎝ 胴径24.0㎝ 底径19.8㎝

解説

注ぎ口を鶏頭にかたどり、龍形の把手が口縁を噛(か)む。肩には紐を通すための小さな穴があいた方形の耳が、左右に各二個ついている。中国ではこの形の瓶を天鶏壺と称している。天鶏壺には、青磁釉がかかったもの、黒い天目釉がかかったものなど、遺品がかなり多い。この天鶏壺は、現在知られているものの中では世界的に見ても特に大きいものとして著名である。 中国の青磁の歴史は古いが、この天鶏壺の形式が出現するのは3世紀末の頃らしく、浙江省北部の原始的青磁、いわゆる古越磁に初期の系譜をたどることができる。四世紀の天鶏壺には胴を球状に作ったものが多く、本図のように胴が筒状になり、特に大型で堂々としたものは六世紀頃のものと考えられている。素地はかなり白く、古越磁の中でも浙江省南部の製品に見られる特色とされる。青磁の釉調は、釉面の凹凸が少なく均質均色の滑らかさをもつものに近づきつつある。釉薬が流れた跡が幾筋か認められ、釉面には細かい貫入(かんにゅう)が出ている。総体に明るい淡雅な色調が心地よい。

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