見込みの周縁部のみに文様を施したこの種の意匠も鍋島の七寸皿には何種類か見られる。周縁部の地に染付で唐草文を表し、その五方に菊唐草を上絵付けで描いている。菊唐草は、菊一輪を真ん中に置き、その左右に葉を一枚ずつ対称に配したもので、鮮やかな赤で表した菊花が映えている。器形に張りがあり、作行きは上質である。裏面は七宝繋ぎ文で、高台は櫛目文である。