展覧会

開催予定

光琳 国宝「紅白梅図屏風」×重文「風神雷神図屏風」

2024.11.01(金) - 2024.11.26(火)

概要

このたびMOA美術館では、尾形光琳(1658-1716)の最晩年に制作されたと考えられる国宝「紅白梅図屏風」と重文「風神雷神図屏風」(東京国立博物館蔵)を39年ぶりに一堂に展観いたします。
国宝「紅白梅図屏風」は、中央の水流を隔てて紅白の梅樹が対峙する緊張感のある構図で、梅花や水流には意匠的な表現とあいまって光琳の画業の集大成といわれています。重文「風神雷神図屏風」は、光琳が私淑する俵屋宗達(?-1643)の名品を忠実にトレースして描き上げたもので、そのモチーフや構図から国宝「紅白梅図屏風」との関連性が指摘されています。
本展覧会では、この同時展観の他、宗達作品の学習から生まれた光琳の名品や所蔵の琳派作品を紹介します。また、安田靱彦筆「風神雷神図」(遠山記念館)やNHK Eテレ『びじゅチューン!』で知られる井上涼の「風神雷神図屏風デート」など、風神雷神をテーマとする近現代の作品もあわせて紹介します。
 

 

みどころ1
国宝「紅白梅図屏風」と重文「風神雷神図屏風」を39年ぶりに一堂に展観

 
当館では、昭和60年に光琳屋敷の復元を記念して「光琳」展を開催しており、国宝「紅白梅図屏風」と重文「風神雷神図屏風」の同時展観はそれ以来のこととなります。光琳は宗達の「風神雷神図屏風」を忠実にトレースして自身の「風神雷神図屏風」を完成させ、そのモチーフを紅白梅に変え、中央に水流を描いて「紅白梅図屏風」を完成させたとの説もあります。光琳による2曲1双の名品2点を見比べてご鑑賞いただきます。
 

国宝 紅白梅図屏風 尾形光琳 MOA美術館蔵

白梅の大部分を画面外にかくし、紅梅は画面一杯に描いて左右対照の妙をみせ、中央には末広がりの水流をおく。デザイン的な梅花や水紋、樹幹のたらし込みなど優れた要素が結集し、重厚なリズム感と装飾性を与えている。
 

重文  風神雷神図屏風 尾形光琳 東京国立博物館蔵

Image: TNM Image Archives

 

みどころ2
光琳をはじめとする琳派の名品を展観

 
光琳をはじめとする琳派の名品を展観 宗達の金銀泥下絵に見られる上下をトリミングした竹の表現を用いつつも、光琳独自の描き方で竹と屈折する梅を金地に墨のみで描いた重文「竹梅図屏風」(東京国立博物館)、光琳の様々な扇面画を貼り付けた重文「扇面貼交手筥」(大和文華館蔵)などを紹介しつつ、当館所蔵の琳派作品をご鑑賞いただきます。
 

重文「竹梅図屏風」 尾形光琳 東京国立博物館蔵

Image: TNM Image Archives

重文「扇面貼交手筥」 尾形光琳筆 大和文華館蔵

絖地秋草模様描絵小袖 尾形光琳 MOA美術館蔵

通称「冬木小袖」(重文 東京国立博物館蔵)と同様に、白綸子(しろりんず)の上に菊や桔梗などの秋草を描いた作品で、細部には光琳独特の意匠化された草花の表現を見ることができる。女性が身にまとった際の文様の状況を計算した作品であろう。
 

重美「紫式部図」 尾形光琳 MOA美術館蔵

紫式部が石山寺で月を見て源氏物語の構想を得たという伝承をもとに、湖面に映る月を眺めながら執筆する姿を描いている。中央の花頭窓(かとうまど)や庇(ひさし)の水平線などの造形要素に、光琳の幾何学的形態への興味を伺い知ることができる。

「秋好中宮図」 尾形光琳 MOA美術館蔵

『源氏物語』の「少女」に取材したもので、秋好中宮が蓋に色とりどりの紅葉を乗せ、文を添えて紫の上のもとへ届けさせたというストーリーを、雅やかな情緒を漂わせながら描いている。

「伊勢物語図 西の対」俵屋宗達  MOA美術館蔵

『伊勢物語』中、「西の対」の段で、在原業平とされる男が、かつて想いをよせた貴婦人(二条后宮)の旧屋敷を訪ねる場面である。人物は、繊細な目鼻立ちの引目鉤鼻(ひきめかぎはな)風に、建物や背景は、金雲に溶け込むように描かれている。

「鹿下絵新古今和歌集」 俵屋宗達絵・本阿弥光悦書   MOA美術館蔵

鹿の群像を俵屋宗達が金銀泥で描いた料紙に、本阿弥光悦(1558~1638)が『新古今和歌集』の和歌二十八首を選んで書いた「鹿下絵和歌巻」の断簡である。もとは一巻の巻子本で、第二次大戦後二巻と数幅に分割された。下絵に見事に調和した光悦の装飾的な書の趣致には、他の追随を許さない斬新さが窺える。現在、シアトル美術館に所蔵されている後半部の一巻の巻末に「徳友斎光悦」の款記と「伊年」の朱文円印が見られる。

重文「色絵十二ヶ月歌絵皿」尾形乾山  MOA美術館蔵

藤原定家の和歌に因んだもので、年代の確かな作品として貴重である。裏に花と鳥の歌を各々一首書き、皿内面には歌の題材を色絵で描いている。「十二月」の皿の裏に、乾山銘が記されている。

重美「雪月花図」酒井抱一 MOA美術館蔵

雪月花は、わが国の季節感を端的に物語る画題である。抱一は、三幅を並置した時の相互の画面構成を考慮して描いており、デザイナーとしての面目が躍如としている。晩年60歳の作品。


みどころ3
風神雷神をテーマとした近現代の作品を紹介

明治以降、独自の表現で風神雷神のモチーフに挑戦した今村紫紅(1880〜1916)や安田靱彦(1884〜1978)の作品をはじめ、現代の土屋禮一、さらにはNHKの番組を通して宗達の「風神雷神図屏風」をモチーフにアニメーションを制作した井上涼の作品を紹介します。

風神雷神図 今村紫紅 (1911年) 東京国立博物館蔵

Image: TNM Image Archives


みどころ4
当館デジタル課スタッフによる オリジナル・フィルム・プロジェクションの上映

国宝「紅白梅図屏風」と重文「風神雷神図屏風」をテーマに制作現場と考えられる光琳屋敷の映像も交えながらオリジナル動画のプロジェクションを行います。