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展覧会

開催中

所蔵 冨嶽三十六景と東海道五十三次

2022.05.13(金) - 2022.07.18(月)

概要

前期展示 5月13日(金)〜6月16日(木) 
後期展示 6月17日(金)〜7月18日(月) 

江戸時代、大都市に成長した江戸では、活発な経済活動を背景に町人の文化が開花し、庶民の関心事を主題とする浮世絵がめざましく発展しました。当初の主題は、遊女や歌舞伎役者でしたが、庶民間における東海道旅行や名所旧跡の物見遊山が流行すると、風景画への関心が高まっていきました。本展でご紹介するのは、浮世絵風景版画の中でもシリーズものとして双璧をなす葛飾北斎「冨嶽三十六景」と歌川広重「東海道五十三次 (保永堂版)」です。 

葛飾北斎(1760 ~ 1849)は、読本挿絵、錦絵、肉筆画など多彩な分野で活躍し、後の印象派の画家などに大きな影響を与えました。中でも天保 2 年(1831)頃より西村永寿堂から発行された「冨嶽三十六景」は、当時の富士信仰の盛行を背景に、斬新な構図や輸入品の化学顔料べロ藍を用いた鮮やかな発色で人気を博しました。 
一方、歌川広重(1797 ~ 1858)は、はじめ歌川豊広の門人として役者絵、美人画を描きましたが、風景画家としての名声を高め、晩年まで多くの名所絵を制作しました。天保 4 年(1833)、版元竹内孫八が刊行した「保永堂版 東海道五十三次」では旅の情景や自然と融合した庶民の暮しが生き生きと描かれ、広重の出世作となりました。 

北斎と広重による浮世絵風景版画シリーズの名作をこの機会に是非お楽しみください。  

 

葛飾北斎 
宝暦10年(1760)〜嘉永2年(1849) 
北斎は、宝暦10年(1760)、江戸本所割下水に生まれました。若くして木版彫刻の職を得た後、絵師を志し、安永7年(1778)に勝川春章(1726〜1792)に入門しました。春章の没後は勝川派を離れ、狩野派、土佐派、琳派、洋風画など諸派の画法を学び続けました。北斎、戴斗、為一、卍など、生涯に三十数回の改名を繰り返しつつ、その度に画風を変化させています。90年の生涯で、読本挿絵、肉筆画、『北斎漫画』に代表される絵手本、「冨嶽三十六景」をはじめとする風景版画等数多くの作品を制作しました。 

冨嶽三十六景について 
葛飾北斎の「冨嶽三十六景」は、江戸後期の旅や行楽への関心の高まりや、当時の富士信仰の盛行を背景に、天保2年(1831)頃より西村永寿堂から刊行されたシリーズものです。これらは、まとめて一時に刊行されたのではなく、数年にわたり断続的に制作されと考えられ、最初に出版された36図に、好評につき追加出版された10図を加えた全46図からなります。 三角形や円などの幾何学形を用いた斬新な構図や遠近法によって、富士を、場所、時間、季節を変化させて描き分けています。また、西洋から輸入された「ベロ藍」と呼ばれる化学顔料の鮮やかな発色を効果的にいかしています。 北斎はそれまでにも東海道絵や名所絵など、風景を扱った作品を幾つも手がけていましたが、「冨嶽三十六景」は、風景そのものを主人公とし、浮世絵風景版画というジャンルを確立させた記念碑的な作品です。  


神奈川沖浪裏 
前期 


凱風快晴 後期 


山下白雨 
前期 


尾州不二見原 
前期 


甲州石班澤 
後期 
 

歌川広重 
寛政9年(1797)〜安政5年(1858) 
歌川広重は、江戸定火消同心・安藤源右衛門の子として生まれました。13歳の時に両親と相次いで死別し、家職を継ぎましたが、15歳の頃、浮世絵師・歌川豊広(1774〜1830)に入門して広重の号を得ました。はじめ役者絵や美人画をてがけましたが、天保2年(1831)頃、斬新な色調の「東都名所」シリーズを発表して風景画に開眼し、その後保永堂から刊行された「東海道五十三次」で成功をおさめました。た。抒情性に富んだ画風で活躍し、一大シリーズ「名所江戸百景」等、数多くの風景版画を世に出しました。  

東海道五十三次(保永堂版)について 
歌川広重の「東海道五十三次」(保永堂版)は、天保4年(1833)頃、版元竹内孫八(保永堂)と鶴屋喜右衛門(僊鶴堂)から共同出版され、のちに保永堂の単独出版となった大判55 枚の揃いものです。 
本シリーズでは日本橋から京師(京都)にいたる東海道の各宿を街道の風物や旅人の様子とともに描いています。四季の移ろいや晴、雨、雪、霧、風等の天気、時刻の変化等を巧みに画面に取り入れ、臨場感をもって季節感や旅情を表して、江戸庶民の旅への憧れをかきたてました。また人物描写に優れ、ユーモラスな表情や動きを表すとともに、一人ひとりの心情さえも生き生きと描いています。 
保永堂版の成功によって、広重は浮世絵風景版画の第一人者となり、その後は「行書版」、「隷書版」、「五十三次名所図会」等、20種をこえる東海道に関する作品が刊行されました。  


日本橋 朝之景 
前期 


箱根 湖水圖 
前期 


三島 朝霧 
後期 


蒲原 夜之雪 
後期 


庄野 白雨 
後期