展覧会
開催予定
北斎「冨嶽三十六景」展 2.0
2024.04.19(金) - 2024.05.21(火)

概要
冨嶽三十六景について
葛飾北斎の「冨嶽三十六景」は、江戸後期の旅や行楽への関心の高まりや、当時の富士信仰の盛行を背景に、天保2年(1831)頃より西村永寿堂から刊行されたシリーズものです。これらは、まとめて一時に刊行されたのではなく、数年にわたり断続的に制作されと考えられ、最初に出版された36図に、好評につき追加出版された10図を加えた全46図からなります。 三角形や円などの幾何学形を用いた斬新な構図や遠近法によって、富士を、場所、時間、季節を変化させて描き分けています。また、西洋から輸入された「ベロ藍」と呼ばれる化学顔料の鮮やかな発色を効果的にいかしています。 北斎はそれまでにも東海道絵や名所絵など、風景を扱った作品を幾つも手がけていましたが、「冨嶽三十六景」は、風景そのものを主人公とし、浮世絵風景版画というジャンルを確立させた記念碑的な作品です。
葛飾北斎
美術館宝暦10年(1760)〜嘉永2年(1849)北斎は、宝暦10年(1760)、江戸本所割下水に生まれました。若くして木版彫刻の職を得た後、絵師を志し、安永7年(1778)に勝川春章(1726〜1792)に入門しました。春章の没後は勝川派を離れ、狩野派、土佐派、琳派、洋風画など諸派の画法を学び続けました。北斎、戴斗、為一、卍など、生涯に三十数回の改名を繰り返しつつ、その度に画風を変化させています。90年の生涯で、読本挿絵、肉筆画、『北斎漫画』に代表される絵手本、「冨嶽三十六景」をはじめとする風景版画等数多くの作品を制作しました。
主な展示作品
神奈川沖浪裏
山下白雨
尾州不二見原
甲州石班澤