展覧会

#琳派

2021.09.10|金| - 2021.10.26|火|

展覧会関連プログラム

びじゅチューン!ライブ2021 in 能楽堂 琳派でござる

2021.09.20|月|

概要

Overview

 #(ハッシュタグ)は、その後に特定のキーワードを付けることで、同じキーワードの投稿をすぐに検索することができたり、同じ趣味や関心をもつユーザー同士で話題を共有したりすることができるSNSで広く使われている記号です。本展は、日本独特の琳派の美意識やその情報を多くの人々と共有することを願い、展覧会タイトルを「#琳派」としました。
 所蔵する琳派作品の展示に加え、SNSを通じて学芸員による琳派に関するレアな情報の発信や、展示室でのQRコード読み取りによる画像を活用した作品解説などを計画しています。
 スペシャルイベントとして、琳派作品をもとに幾つもの作品を制作している井上涼さんの「びじゅチューン!ライブ2021 in 能楽堂 琳派でござる」も行われます。 光悦、宗達にはじまり光琳によって大成し、江戸の地の抱一へと継承された日本美術の大きな流れの一つである琳派の魅力を楽しみながらご鑑賞ください。

◆展示目録はこちら

【みどころ】
琳派作品のお宝動画紹介
展示されている作品の QR コードによって、硯箱の内側や茶碗の高台、作品が納められている箱に書き つけられた文字など、通常の展示では見ることので きない内容を動画で紹介します。

LINE で尾形光琳(Kōrin)に質問
LINE を使って琳派の作家や作品について質問をす ると、Kōrin が答えてくれます。まるで光琳と話して いるような感覚で、琳派に関する情報を得ることが できます。

※画像はイメージです

投稿内容のライブ・プロジェクション
Instagram で「#琳派2021」をつけて投稿すると、 その内容がリアルタイムで展示室内に映し出され、 来館者それぞれの展覧会の楽しみ方をシェアするこ とができます。

※画像はイメージです

 

 

【主な展示作品】

重文 樵夫蒔絵硯箱 伝 本阿弥光悦 桃山〜江戸時代 17世紀

蓋の甲盛りを山形に高く作り、蓋と身の四隅を丸くとったいわゆる袋形の硯箱である。身の内部は、左側に銅製水滴と硯を嵌め込み、右側を筆置きとし、さらに右端には笄形に刳った刀子入れを作る。蓋表には、黒漆の地に粗朶を背負い山路を下る樵夫を、鮑貝・鉛板を用いて大きく表す。蓋裏から身、さらには身の底にかけて、金の平蒔絵の土坡に、同じく鮑貝・鉛板を用いてわらびやたんぽぽを連続的に表し、山路の小景を表現している。樵夫は、謡曲「志賀」に取材した大伴黒主を表したものと考えられる。樵夫の動きを意匠化した描写力や、わらび・たんぽぽを図様化した見事さには、光悦・宗達合作といわれる色紙や和歌巻の金銀泥下絵と共通した趣きがみられる。また、鉛や貝の大胆な用い方や斬新な造形感覚からは、光悦という当代一流の意匠家が、この制作に深くかかわっていることが感じられる。原三渓旧蔵。

 

伊勢物語図 西の対図 伝 俵屋宗達

本図は伊勢物語の主人公とされる在原業平が、かつて想いをよせた貴婦人(二条后宮)の旧屋敷を訪ねた場面(西の対の段)で、人物像は、繊細な目鼻立ちの引目鈎鼻風に、建物や背景の山々は、金雲に溶け込むように描かれている。画面に表れるこうした夢幻的情感が、宗達筆といわれる彩色物語絵の特色である。

 

白梅図香包 尾形光琳 江戸時代 18世紀

光琳は、香木を収めるための裏に金箔を貼った絹地の包みに、草花や鶴などを描いた作品をいくつか残している。この図もそうした中の一つで、光琳独特の、花弁の区分がない白梅の花をつけた梅樹が描かれている。下から伸びた梅の枝が二つに分かれ、それぞれに見事な白い梅の花をつけている。下地の金と相俟って春の美しい情景を連想させる逸品である。

 

琴高仙人図 尾形光琳 江戸時代 18世紀

『列仙全伝』によれば、琴高は中国周時代の仙人で、趙の人、琴の名人として知られた。ある日、たく水に入って龍子を捕えると約し、約束の日に鯉に乗って水中より現れたという。本図では、琴高の顔や衣裳に見られる整理された無駄のない静かな線描と、水波の筆勢の速い、動きのある線描とが見事に調和している。多才な芸術家であった光琳が、宗達などやまと絵系の作品はもちろんのこと、狩野派など漢画系の画跡をも習得した結果到達した光琳独自の画境といえよう。本図は、江戸後期の琳派の画家酒井抱一編纂の『光琳百図』中に収録されている。

 

銹絵染付梅花散文蓋物 尾形乾山 江戸時代 18世紀

尾形乾山は、野にある菊や薄、桔梗、笹、柳などのほか、鳥や道釈人物などを題材に、彼が陶法を受け継いだ仁清窯や他の京焼などには見られない独特の作風の焼きものを生み出した。本図の作品は、文様化した梅花の重なりを意匠とする被(かぶ)せ蓋形式の蓋物である。乾山は京都有数の呉服商雁金屋の三男として育ったが、その家業の伝統を生かし染織に用いる型置きの技を陶面に応用した作品である。技法的には、型紙を用いて梅花文を白泥で厚くリズミカルに配置し、さらに呉須と鉄絵具で重なり合うように梅花文を描いて、最後に全体に透明釉を薄くかけて焼成したものである。蓋、身ともに内側は、白化粧地の上に梅花の型紙を置いて、呉須の刷毛塗りで白梅を浮き立たせている。器形といい文様といい日本的情緒あふれる意匠で、乾山の代表作の一つとして知られている。身の底裏中央には、大きく鉄絵具で「乾山」と書かれている。鴻池家伝来。

 

 

 

主催:MOA美術館
制作協力:NHKエデュケーショナル/NHKエンタープライズ