広重「東海道五十三次」 Digital Remix 作品解説

作品解説 索引

 

■広重「東海道五十三次」Digital Remix

 
 

■その他のコレクション

 
 

 

名所江戸百景

1、名所江戸百景

月の岬

歌川広重 江戸時代 安政3~5年(1856~58)
品川宿にあった土蔵相模(どぞうさがみ)という妓楼の大広間から、秋の月の出た品川湾を描いている。月の岬を描かずに岬を暗示するとともに障子に芸妓らしき女性の影を描いている。

 

2、名所江戸百景

深川萬年橋

歌川広重 江戸時代 安政3~5年
橋の欄干に縄で吊るされた亀をクローズアップで描き、「万年橋」をイメージさせる。近景と遠景を合わす構図の多いシリーズ中では異例の近景だけの作品である。大柄ではあるが細部まで丁寧に描く姿勢は広重ならではのものである。

 

3、名所江戸百景

市中繁栄七夕祭

歌川広重 江戸時代 安政3~5年
七夕は元来、中国での行事であったものが奈良時代に日本に伝わった。江戸時代には五節句の一つに数えられ、武家社会から町人層にまで広まっている。この日の江戸市中は、空に向かって立てられた竹に色紙の吹流し、ひょうたん、杯、スイカ、大福帳、そろばんなど、目を見はらせるほどの七夕飾りがにぎやかであった。

 

4、名所江戸百景

亀戸梅屋舗

歌川広重 江戸時代 安政3~5年
亀戸梅屋敷は梅の名所で、臥龍梅(がりゅうばい)が名木として知られていた。図は臥龍梅を前景に大きくクローズアップし、その枝間に梅林や見物人を配し、紅、緑、薄桃色の三種の背景の中で梅と人々を浮かび上がらせている。

 

5、名所江戸百景

大はしあたけの夕立

歌川広重 江戸時代 安政3~5年
突然の夕立に人々は足早に橋を渡っていく。対岸は雨に霞んで影絵のように表されている。不規則にぼかしを入れた黒い雨雲の描写、長い雨足、橋の下にはベロ藍のぼかしで遠近感を出している。広重の最晩年の傑作である。